絡新婦の理

2002年5月11日
「……の様な、お話だよ」
と言って、同居人が1枚のCD-ROMを渡してくれた。
早速PCを立ち上げてインストール。ゲームスタート。

イントロは画像無し。字幕のナレーション。
蜘蛛の妖と僧の対決シーン。傷を負った妖を追い詰める僧。振り上げられた錫杖。そしてそこに落雷。暗転。
物語は、蜘蛛の妖が覚醒めるところから始まる。

女の名は初音
幾百年のも年月を重ねて生きる女郎蜘蛛だ

ここまでは、良い。しかし、これは

……エロゲーじゃんかよおおおおっ!(絶叫)

登場シーンでいきなり3人の男に陵辱されるヒロイン。そこに我等が主人公初音ちゃんが現れ、男供を殺しヒロインを助ける。その後ヒロインを弄びつつ、周囲の男女を篭絡しながら生気を絞り取り、来るべき宿敵(イントロに登場していた僧)との闘いに備える、と云うストーリーらしい。
……これの何処が「絡新婦の理」ですか?
合っているのは「じょろうぐも」って単語だけだろうが。俺には、あの小説とこのゲームのストーリーに同じ要素があるとは微塵も思えない。ってゆーか、これならまだ江戸川乱歩の「蜘蛛男」の方が共通点が見出せる様な気がするのだが、如何だろう。

「どうしてそこで痴漢に遭う必要があるんだ!?」
「エロゲーなのに何が悲しくて男を篭絡せなあかんのだ!?」
「この学校は建築計画的におかしいだろ!?」
「何で神社なのに先祖が坊主なんだよ!?」
「ってゆーか、何でこんなところに蒼月紫暮!?」

などと、突っ込みどころは満載なのだが、心は蜘蛛の巣に囚われた俺。気づいた時には既にすっかりこのゲームの虜。ってゆーか、エンディングを見ずしてPCの前を離れることなんてできねえ。
クライマックスは初音ちゃんと宿敵(僧)銀の因縁の対決。何だか細かいオチが用意されていたのだが、この辺まで来ると飽きていて、ストーリーなどどうでもよく、早くゲームを終わることしか頭に無いので、痛快に読み飛ばす。結局5時間掛けてゲーム終了。しかしそんな俺の心に一抹の不安が。
……これは、ハッピーエンドなのだろうか?
そりゃ、因縁の決着は着いたよ。初音ちゃんも人間の心を取り戻したさ。本当に大切なものに気づいたさ。けど、初音ちゃんはヒロインを置いて行ってしまうことになる訳だし、ヒロインはこれから永遠を初音ちゃん無しで生きていかなくてはいけない。それは、幸せと言えるのか? 言って良いのか?
そもそも、本当の幸せって何だ?
と、ゲーム終了後も「幸せ」について、延々と考え続ける俺。エロゲーでこんなこと考えるハメに陥るとは思わなかったよ。侮れん、エロゲー。
まあ、登場する女の子(一部男)は全員落としたので、ハッピーエンドなのだろうと無理矢理納得することにした。今回、クリティカルヒットな萌えキャラがいなかったのは心残りだけど。

……ふっふっふ。後は、CGをコンプリートするのみ。

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