「匣の中の娘」

2002年5月16日
「君は夢と現実の区別がつくのか?」
「生涯夢を見続けていたとしたら、君はそれが夢だと解るのか?」

俺の将来の夢は、脳味噌に電極を突っ込んで脳内の情報をデジタル化し、電脳世界で半永久的に楽しい夢だけを見続けることである。

……匣に入りてえ。

そしたら、永遠に匣の中で夢を見続けちゃうよ。匣の中に拡散して、隅々までぴったり充満して魍魎の匣になっちゃうよ。男が匣の蓋を持ち上げてくれたら、何ともあどけない顔でにつこり笑って「ほう、」と云つて、久保竣公の心を惑わしちゃうよ。気に入らない奴が「もう大丈夫だ。永遠の幸せが」とか言って匣を開けたら、その首に食らいついちゃうよ。

不安のみつしりと充満した部屋の中で、独りそんな妄想に耽る。

既にもう、何が幻想やら現実やら……

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