……起きたら、朝7時だった。
(SE.交響曲第5番ハ短調「運命」第1楽章 ヴェートーヴェン)

何やってんだ、俺。
今日の朝10時には、ダイニングセットが届く予定なのに。掃除するって大見得切ったのは、何処の誰だ? ワックス掛けるって言ったのは、何処の誰だ? 丸4日間もあったのに、何一つ手をつけてねーじゃねえか!
と、慌てて大掃除開始。時ならぬ物音に、同居人も自室を出て参加。

まず、共用に出しておいた炬燵机を撤去するために、俺の部屋を片付ける。取り敢えず居間に物を運び出して、要らない物は捨て捨て捨て。冬物の衣類は洗濯洗濯洗濯。プラスティックのケエスに詰め詰め詰め。押入れを整理整理整理。
予定より大分押してはいるが、9時半には居間が片付き、ワックス掛けができる状態にはなる。
最初に、住居用洗剤で床の汚れを落とす。生活している時は、見なかったことにしていたけれど、汚いなあ(笑)。特に台所。
そして、水拭きを2回行い、洗剤の成分をしっかり落とす。
日頃のぐうたらが嘘の様に、テキパキと作業を進める俺と同居人。
そこへ、待望の荷物が到着。一刻も早く荷物を解いて、新しいダイニングセットにこんにちはしたいところだが、此処で本能のまま行動してしまうと、今日中に片付かないことは火を見るより明らかなので、我慢我慢。
床の水がすっかり乾いたのを確かめて、ワックスを掛ける。
フローリング床材に半年に一度はワックスを掛けるのが、建築物を健康な状態で維持するために必須なのだよ、明智君。
と、どうでも良いところで、建築学科の学生らしい知識を披露する俺。馬鹿話をしながらだと、作業も速く進むものだ。
ワックスが乾くまで30分程は、室内は立入禁止地区になるので、その間を利用して食事に行く。

戻って来てから早速、わくわくしながら梱包を解く。
可愛い。凄く可愛い。自然の木目を活かした艶消しの黒いダイニングセット。この手触りが、また良い。軽いのが、良い。木と塗装の入り混じった匂いさえも、馨しい。狂気乱舞で新しいダイニングセットを部屋に搬入する、俺と同居人。ミリ単位でテーブルの位置を調整する、俺と同居人。無意味に椅子に座ったり立ったりする、俺と同居人。

部屋も奇麗になったし、悲願のダイニングセットも導入したし、これでもう、何時子供ができても大丈夫。

……如何やって作る気だ?

そんな所へ、運悪く新聞屋さんが来る。
引越しから半年。当時半年で契約していた新聞の期限が切れたので更新のお伺いに来てくれたそうだ。

新聞屋「あの、新聞の更新を……」
同居人「はい。ええと、取り敢えず1年で」
新聞屋「ありがとうございますっ!(表情が輝く)……あの、これ、良かったら。洗剤なんですけど」
同居人「あ。ウチ、洗剤決まってるんで結構です」
新聞屋「……そうですか(ちょっと哀しそう)。代わりに映画のチケットどうぞ」
同居人「……(そう言えば、オウリ映画観るよな)。ありがたく頂戴します」
新聞屋「あ、奥様。旦那様の分も、どうぞ」
同居人「気遣い、ありがとうございます。2人で行きます♪」

……旦那かい? 俺は、キミの旦那なのかい?

ってゆーか、そこで調子に乗るな(笑)。

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