映画"MEMENT"

2002年5月28日
同居人がビデオを借りて来たので突如、2人並んで映画鑑賞会。

主人公レナードは、昔のことなどの長期の記憶はあるが、短時間の出来事を憶えられない。それで何事もメモしているのだが、紙切れは失くす可能性があるので、大切なことは自分自身にメモしている。だから彼の全身はイレズミだらけ。
そして、彼の鮮烈な記憶。妻の顔。殺される、瞬間の……
彼は妻の復讐をするため、有力な手掛かりと思われる情報を身体の隅々に刻みながら、犯人を探している。

映画を観る時に、物語自体を楽しむのは勿論のことだ。けれども俺は、演出……何を表現するために如何云う手法を用いているかとか、何処で複線を張っているかとか、何でそう云う画で撮っているのかとか……について、映画を観ながらも結構考えてしまう。これだけ多くの作品が世に送り出されている今日この頃、代表的なパターンは殆ど出尽くされた感があり、物語自体で斬新なものは滅多に御目に掛かれない。勢い演出が複雑になって来ているので、何処にどんな仕掛けがあるのか注意して観ていないと、鑑賞後もさっぱりオチが解らなくて、後味の悪い思いが残ることもある。
余りにも注意深くなり過ぎて、あから様な仕掛けだと、それが仕掛けだと云うこと自体に気づかなかったりもするが(例→シックス・センス)。

それで映画"MEMENTO"。
ごめん。注意して観ていたのだが、俺にはさっぱり理解できなかった。
時系列を現在から過去に遡って行くのだが、それが極短時間で(多分それが主人公の記憶できる時間の限界なのだろう)細切れにされている上に、その間にはモノクロの他の時系列のシーンが挿入されている。
最初は、過去に遡るのと現在進行形の出来事が並行しているのかとか、どっちかが主観でもう一つが客観なのかとか、どっちかが事実でもう一つが主人公の記憶の再現なのかとか、数パターンを考えて観たが、モノクロ編の共通項が掴めない。しかも全編、今の出来事までの経緯が、次のシーンで明かされると云う調子なので、それまで何が起こっていたか全て憶えていないと、何が何だか解らなくなる。
最初は何気無く観ていたのだが、途中から「ははん。こいつは俺の記憶力に対する挑戦だな」と、妙な対抗意識が沸いて来て、食入る様にブラウン管を見詰める俺と同居人(笑)。
……でも結局、何が何だか理解できなかったのだが。
本編終了後。結局テディとは誰だったんだとか、ナタリーは敵か味方かとか、途中で出て来ていた麻薬組織の件は何処へ行ったとか、主人公は自分でも記憶が飛んでいるのを明らかに自覚しているのに、何故そんな自分に恐怖を感じず普通に生活できるのかとか、怒りに任せて突っ込み捲った俺と同居人だった。
この映画は複数で観て、鑑賞後に記憶力テストをするのが面白い観方だと思います(笑)。

その後、口直しに何故か"天空の城 ラピュタ"鑑賞。
児童文学の王道を行く物語に、ほっとした。
矢張りエンタティメントは、頭使わないでも楽しめるのが良いわ。

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