君を呼ぶ夢の淵

2002年6月10日
信じ難い話だが、俺は鬱病である。

今でこそ大分回復し、覚束ないながらも日々前向きに生きて行こうと、社会復帰を目指す覚悟も徐々に出て来た俺だが、一時は本当に悲惨だった。
眠っても悪夢ばかり押し寄せて来るので寝た気がせず、何時までも昏々と眠り続ける。起きても何もする気力が無くて、膝を抱えて座っている。電話も郵便もドアチャイムも怖い。外に出るのも恐ろしい。同居人に愚にもつかないことを延々と語り続ける。たまに奇声を上げて大暴れする。仕舞いにゃ刃物を持って部屋中を歩き続ける。
「自分は生きているに値しない」と思っているが、自殺する覚悟も無く、生きて行く覚悟も無い。実に半端で見苦しい生活を送っていた。今も余り生きて行く覚悟は決まらないけどさ。今も半端で見苦しいけどさ。まあ「殺してくれ」とは言わなくなったな。「お前、殺す」とかはたまに言ってるけど(笑)。

……それなので、今も週1で病院に通って治療を続けている。
治療に用いるのは、自分の行動を分析したメモと主に薬物。薬は、朝と夜に抗鬱剤を服用。夜就寝前には睡眠薬を1錠服用することになっている。が
……やってしまったんだよ。これを

1日に2錠、睡眠薬を誤飲。

朝抗鬱剤を飲む時に、間違えて本来この時間には飲むべきではない睡眠薬まで一緒に飲んでしまったらしい。午前中、眠くて眠くて仕様がなかった。此処で本能に任せて寝てしまったら治療の意味が無いから、一生懸命本を読んだりネットをしたり勉強したりしてみたのだが、どう考えても眠い。と云うより夢の中にいる様で、ふわふわした浮遊感が付き纏い、何をしていても実感が無いんだよね。
2時間ぐらい我慢してみましたが、敗北しました。
どうせ薬が原因なら、6時間もすれば効力が失せるから、明るい内に余裕で起きられるだろうし、そこから活動しよう。と横になった。
しかし。それが甘かった。

夢の中で、恐ろしい電話が鳴っている。電話が鳴っている。電話が
はっ(時計を見る)

……しまったぁぁぁぁっ!! 10時じゃねえかっ!!

今日はバイトだったんだよ。夜10時からなんて、どう考えても遅刻のしようがないだろう。しかも理由は寝坊。慌てて着替えをして、そのまま家を飛び出す俺。でも、夢ウツツ。まだ薬が切れてないらしくて、酔っ払ったみたいにふらふらするんだよう。真直ぐに歩けない。何時も以上に夢の中の住人、俺。仕事をしていても、全く実感が無い……
結局バイトに入っても前半の4時間ぐらいは、全く使い物にならなかった。
ずっと夢の中を彷徨よっている様で……。睡眠薬、恐るべし。

強制的に起こされたから普段の生活に戻れたけど、もしかしたらあのまま、二度と覚醒めず、夢の世界の住人になってしまったかも知れないなあ。
その方が俺的には幸せだったけど。
やっぱ1日1錠って指定されていたら、服用してから24時間はその薬の影響下にあると考えた方が良いみたい。連続して同じ薬を飲むのは危険だ。

……薬は用法を守って服用しましょう。

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