……盛り上がっていますねえ、日本全国W杯一色。


青一色のユニフォーム姿。顔にはペインティングで日の丸。
会場前では早くから集って応援合戦。
選手個人にも熱狂的なサポーターがいて、点が入ると客席はウェーヴ。
試合に勝つと警察の警告を無視して川に飛び込む。

これをヴィジュアル系に置き換えると、こうなる。

黒一色のコスプレ姿。顔には暑苦しい厚化粧。
会場前では早くから集って気合入れ。
メンバー個人にも狂信的な追っかけがいて、ライヴはヘドバンの嵐。
調子に乗ると警備員の制止を振り切って逆ダイヴ。

うはー。見苦しいな、バンギャル。
全国民が比較的好意的なW杯サポーターの行為にも、眉を顰める人がいるんだもの。社会性の欠片も無い閉ざされた幻想世界でこの調子だったら、そりゃあヴィジュアル系なんぞに興味の無い一般人には、さぞかし不可解だろう(笑)。

一方、バンギャルとサポーターが最も異なっているのはこの点だと思う。

ワールドカップは世界が舞台。開催は4年に1度の世界のお祭騒ぎ。
ヴィジュアル系は日本音楽界の片隅で密かに息づく狭い舞台。
でもハマったバンギャル本人は飽きるまでお祭騒ぎ。

例えれば、前者が東海大地震か富士山噴火ならば、後者は自爆テロ。
広範囲に及ぶ莫大な被害が出る大震災。その大変な状況下で互いに助け合い、励まし合う人々のドラマ。災害に一丸となって立ち向かう懸命なその姿が、忘れかけていた人間性を思い出させる。そして民衆は力を合わせて復興へ。
一方、予期せぬ日常の中で突然沸き起こる悲劇。運悪くその場に居た人が、否応無しに巻き込まれる阿鼻叫喚。「何でウチの子が」「何でウチの夫が」と泣き叫ぶ遺族。遺るのは、狂信的で利己的な実行犯と背後の団体への憎悪……
前者は「自然災害だから仕方が無い」と諦めもつくが(まあなるべくなら災害なんて起こらない方が望ましいんだけど)、後者には怒りを覚えるだろう?
ワールドカップを災害に例えるのも何だが。

日韓共催でホスト国の一方、と云うこともあるんだろうけど。W杯開催による莫大な経済効果とかも期待されているんだろうけど。日本が勝ち上がっていると云うのもあるんだろうけど。
サポーターが優遇されているのは、このお祭が期間限定であるから。
少しぐらい乱痴気騒ぎをしていても、終われば以前の平和な日本に戻ると思うからこそ、多少のことには世間は目を瞑る。

バンギャルは、そのバンドが解散するか本人が飽きるまで辞められないからなあ。一つのバンドに飽きても、次のバンドに嵌ったりするし(笑)。
ヴィジュアル系文化が、社会的に正しく認知されて、その経済効果とか政治にまで影響する様になったら、世間の評価もまた変わるんだろうが。
でも、もともとアングラな雰囲気が好きでヴィジュアル系が好きだと云う背景があるので、世間的に認められたら、それはそれでムカつくだろうけど。
ってゆーか、ムカつくに違いない(笑)。

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