笑えない訪問者
2002年7月16日同居人と優雅にディナータイム……実際はピザの最後の一切れを奪い合う過酷にも浅ましい生存競争(と云うのは嘘だが)を過していた。その時
……唐突に玄関のチャイムが鳴った。
「今頃、誰だ?」と怪訝に思いつつ、急いでピザを咀嚼した同居人がインターフォンの受話器を取る。……同居人のやりとりを傍聴する限り、相手は知り合いなのか? と思っていると、
同居人「君の見舞いと称してヒワイ君とエロ君が来たけど、如何する?」
俺「追い返せ」(即答)
ヒワイ君(仮名)は同居人の同級生でエロ君(仮名)は同居人の後輩である。ヒワイ君とは何回か遊んでいるし、エロ君は何故か俺とバイト先が同じである。しかもヒワイ君とエロ君は、もう1人と男子3人で、この近所で同居生活を送っている。
奴等は俺が夏風邪でダウンしたと云う情報を得て、偵察に来た模様。
ウチは女所帯なんで基本的に男子禁制なのだが。家に人を招くの、本気で嫌いなんだが。寧ろ、俺は普通に歓迎していないんだが。
ってゆーか、まだ熱下がっていないんですけど。
……そんな俺の心理は無視して、玄関に奴等を迎えに出る同居人。
奴等「こんばんわあー」
俺「お前ら、何しに来た?」
ヒワイ君「……あの、風邪をひいたと小耳に挟んだので」
エロ君「お見舞いですうー」
俺「帰れ」(断言)
しかし痛む心を抑えてこんなに明確に意思表示してやったにも拘わらず、「遠慮」と云う単語の存在すら疑わせるかの様に、平気で家に上がり込む奴等。
各自手土産を用意して来た心意気は誉めてやらんでもないが、花は一見白い菊(実際は違うらしい)に見えるのが微妙にムカつくし、ケーキは実は俺、一口も食ってないんだがな(何時の間にか冷蔵庫から消えていた)。
それで奴等は揃いも揃って、何が何だか要旨の良く分からない完全自己完結傾向な語り口な上、水気の無い菓子の如くもそもそした不明瞭な口調を得意としているので、こんな時は非常に閉口する。
俺か同居人がが喋らないと余裕で間が持たないし、別にこれと云った話題も無いので、放っておくと1分で会話が終わってしまうじゃんかよう。
ってゆーか、「それはですねえー」とか言ってるんじゃないよ。病気で退屈している俺様を慰めに来たなら、芸の一つや二つ披露してみせろっつーの。
幸い、エロ君がDir en greyが好きだと云うので、昔の音楽雑誌や最近調達した京コス衣装(MACABRE)を見せびらかして誤魔化すことにする。
それでヒワイ君は兎も角、エロ君はかなり小柄なので、本人がその気になれば京コスぐらいできるかなー、と思って、取り敢えず衣装を着せてみた。
……似合わねえ。死ぬ程似合わねえ。
この衣装、一番普段着っぽいから、誰でもある程度似合うものかと思っていたら、そうでもないらしいことが判明。
それで、化粧をしないのがいかんのかと思い、急遽メイク大会。持ち合わせのコスメの範囲では所詮男に化粧してもせいぜいオカマちゃんなのだが。
それでもエロ君は気に入ったらしく、暫く鏡の中の自分に飽きることなく見入っていた。……こいつ、ナルシストか? しかも河村隆一ばりの。
実は、俺的にこの時間が一番つらかった。何で俺、ここまで苦しい思いしてこいつらの相手しなきゃいけないんだ? と内心本気で自問自答。
隙あらば盛んに「帰れ」と云う単語を連発していたのが、これは決してシャレでも冗談でもその場のノリでもなく、心底帰って欲しかったんだがな。
この後に及んで「カラオケ行きたい」とか駄々捏ね出すし。しかもカラオケ狂のエロ君のみならず、ウチの同居人まで一緒になって。
それで「3人で行って来い」と取り敢えず、せめて家から追い出したかったのだが、「行きたい」とか言っている割には3人とも全く腰を上げる様子も無し。
仕方無いから兎に角家から出た方が良いと思って、俺が率先して出掛けるよう促しちまったよ、もう。ああ。何て行動力の無い奴等だ……
それでも冷房の効いた個室に入ると一時的に気分が回復した様な気がするのは、発熱の原因は夏風邪ではなく、単なる連日の暑さに因る慢性的な熱中症のせいかも知れない……
途中で限界を感じたから、悪いけど先帰ったけどな。
本当は「俺の見舞い」なんて口実で、ヒワイ君は就職活動も終わったから暇を持て余していて、エロ君も実験が終わったから浮かれて、2人とも遊び相手が欲しかっただけなんだろ。
……ネタは割れているんだぞ、お前等。お前だよ、おーまーえっ!!
……唐突に玄関のチャイムが鳴った。
「今頃、誰だ?」と怪訝に思いつつ、急いでピザを咀嚼した同居人がインターフォンの受話器を取る。……同居人のやりとりを傍聴する限り、相手は知り合いなのか? と思っていると、
同居人「君の見舞いと称してヒワイ君とエロ君が来たけど、如何する?」
俺「追い返せ」(即答)
ヒワイ君(仮名)は同居人の同級生でエロ君(仮名)は同居人の後輩である。ヒワイ君とは何回か遊んでいるし、エロ君は何故か俺とバイト先が同じである。しかもヒワイ君とエロ君は、もう1人と男子3人で、この近所で同居生活を送っている。
奴等は俺が夏風邪でダウンしたと云う情報を得て、偵察に来た模様。
ウチは女所帯なんで基本的に男子禁制なのだが。家に人を招くの、本気で嫌いなんだが。寧ろ、俺は普通に歓迎していないんだが。
ってゆーか、まだ熱下がっていないんですけど。
……そんな俺の心理は無視して、玄関に奴等を迎えに出る同居人。
奴等「こんばんわあー」
俺「お前ら、何しに来た?」
ヒワイ君「……あの、風邪をひいたと小耳に挟んだので」
エロ君「お見舞いですうー」
俺「帰れ」(断言)
しかし痛む心を抑えてこんなに明確に意思表示してやったにも拘わらず、「遠慮」と云う単語の存在すら疑わせるかの様に、平気で家に上がり込む奴等。
各自手土産を用意して来た心意気は誉めてやらんでもないが、花は一見白い菊(実際は違うらしい)に見えるのが微妙にムカつくし、ケーキは実は俺、一口も食ってないんだがな(何時の間にか冷蔵庫から消えていた)。
それで奴等は揃いも揃って、何が何だか要旨の良く分からない完全自己完結傾向な語り口な上、水気の無い菓子の如くもそもそした不明瞭な口調を得意としているので、こんな時は非常に閉口する。
俺か同居人がが喋らないと余裕で間が持たないし、別にこれと云った話題も無いので、放っておくと1分で会話が終わってしまうじゃんかよう。
ってゆーか、「それはですねえー」とか言ってるんじゃないよ。病気で退屈している俺様を慰めに来たなら、芸の一つや二つ披露してみせろっつーの。
幸い、エロ君がDir en greyが好きだと云うので、昔の音楽雑誌や最近調達した京コス衣装(MACABRE)を見せびらかして誤魔化すことにする。
それでヒワイ君は兎も角、エロ君はかなり小柄なので、本人がその気になれば京コスぐらいできるかなー、と思って、取り敢えず衣装を着せてみた。
……似合わねえ。死ぬ程似合わねえ。
この衣装、一番普段着っぽいから、誰でもある程度似合うものかと思っていたら、そうでもないらしいことが判明。
それで、化粧をしないのがいかんのかと思い、急遽メイク大会。持ち合わせのコスメの範囲では所詮男に化粧してもせいぜいオカマちゃんなのだが。
それでもエロ君は気に入ったらしく、暫く鏡の中の自分に飽きることなく見入っていた。……こいつ、ナルシストか? しかも河村隆一ばりの。
実は、俺的にこの時間が一番つらかった。何で俺、ここまで苦しい思いしてこいつらの相手しなきゃいけないんだ? と内心本気で自問自答。
隙あらば盛んに「帰れ」と云う単語を連発していたのが、これは決してシャレでも冗談でもその場のノリでもなく、心底帰って欲しかったんだがな。
この後に及んで「カラオケ行きたい」とか駄々捏ね出すし。しかもカラオケ狂のエロ君のみならず、ウチの同居人まで一緒になって。
それで「3人で行って来い」と取り敢えず、せめて家から追い出したかったのだが、「行きたい」とか言っている割には3人とも全く腰を上げる様子も無し。
仕方無いから兎に角家から出た方が良いと思って、俺が率先して出掛けるよう促しちまったよ、もう。ああ。何て行動力の無い奴等だ……
それでも冷房の効いた個室に入ると一時的に気分が回復した様な気がするのは、発熱の原因は夏風邪ではなく、単なる連日の暑さに因る慢性的な熱中症のせいかも知れない……
途中で限界を感じたから、悪いけど先帰ったけどな。
本当は「俺の見舞い」なんて口実で、ヒワイ君は就職活動も終わったから暇を持て余していて、エロ君も実験が終わったから浮かれて、2人とも遊び相手が欲しかっただけなんだろ。
……ネタは割れているんだぞ、お前等。お前だよ、おーまーえっ!!
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