熱、依然として下がらず。

……昨日大人しく寝てずに、訪問者達が調子に乗るままに一緒に遊んでいたりしたのは、やっぱり不味かったか……
今日になってもまだ夏風邪から回復できないのは主に自分のせいなので、諦めてバイトに出勤することにする。
まあ微熱だし、体温上昇中でなければそれ程つらくもないしな。
……第一、昨日(自分で望んだ結果でないとは云え)一晩中遊んでいたのに「今日もまだ具合が悪いんで、バイトお休みします」なんて考えることは、人道的に許されねえだろう。

そして泣く泣く仕事に入った俺。本日この時間の主なメンバーは昨日ウチに来襲したエロ君と、もう1人の女の子と3人。
一応、スタッフの休憩時間を手配するために本日の労働時間を確認。

俺 8時間労働
彼女 6時間労働
エロ君 ……2時間労働(通常は4時間)

「……2時間??」

おい。何だよ、この「2時間労働」ってのは。俺の見間違いか? 店長のスケジュールの書き間違いか? あり得ねー。絶対に、あり得ねー。
念のために、その辺で遊んでいるエロ君を捕まえて、訊いてみる。
俺「キミ、今日2時間労働になっているんだけど如何云うこと?」
エロ君「それはですねー。レポートがありまして早く帰りたいのでー」
俺「お前、昨日実験終了とか言っていなかったか?」
エロ君「実験が終わっても、レポート提出しないといけないんですー」
俺「そんなことは解ってるよ。だけどお前、

「昨日、朝まで遊んでいたじゃんかようっ!!」
彼女「ええっ!? 昨日遊んでおいて今日レポートで早上がりですか?」

馬鹿者。遠足が自分の家に辿り着くまでが遠足である様に、実験はレポートを提出するまでが実験なんだよ。レポートにまだ手をつけてもないのに、病人の所に押し掛けて来て、何時までも遊んでんじゃねーよ。

俺「許せねーな」
彼女「許せませんねー」

2人「判決。有罪っ!!」

……しかし当初の予定通りエロ君はこの日、2時間で帰って行った。


因みにこの日、労働時間帯に俺が消費したポカリの量は、約3L。
……そして家に帰って来て測っても、熱は依然として下がらず。

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