何時も通りの金曜日。病院に診察へ。
何時もと違う金曜日。帰りにふらりと近所の図書館へ。

一応、区立ではあるのだが、図書館と云うより寧ろ図書館分室。
多寡だか100平米規模の、「小学校の図書室」って感じなんですが。
……蔵書も小学校の図書室並み。つまり、児童文学の宝庫。
幼少時代をともに過した名作の数々が殆ど揃っているなんて、この辺りに引越して来て初めてこの場所を知った時は、思わず小躍りして喜んだね。


最近めっきり活字離れの傾向にあるオウリだが、実は本の虫なのだよ。
……いや、本当だって(笑)。
近頃全然本読んでないなーとか思いつつ。
何かね。解り難い現代小説でもなく小難しい古典文学でもなくマニアックな学術書でもなく何処で役に立つのか全く見当もつかない実用書でもなく、何も考えず短時間で読めて後味の悪くない荒唐無稽な軽い文章が読みたかったのよ。
……それで児童文学。すみません、脳味噌小学生並みで(笑)。

そしてやっぱり立ち止まってしまうのは、このシリーズのある本棚。


ポプラ社 少年探偵 江戸川乱歩全集


物心ついた時から常に隣に本があった、と云う恵まれた環境で育った俺だが、自信を持ってきっぱりと断言できるね。
「小説」と云う表現形態の面白さを教えてくれたのは、江戸川乱歩だと。

ミステリと云う小説ジャンルに嵌った原点では勿論あるのだが、それ以上に多分、「文章」を意識させてくれた最初の小説家はやっぱり乱歩なのです。
何だかもう、文章全体の雰囲気が良い。
妖しげな舞台設定や推理謎解きや心踊る冒険や、子供心にも時折微かに漂う背徳の香り(笑)にも多分強く惹かれていたんだろうけど。
あの独特で不思議な空気感世界観、作品の雰囲気はもう、矢張り江戸川乱歩の筆力あってのものこそなんだなあと、最近の文章を色々と読んでてつくづく思う訳なんですよ。
……毎回、展開は結局ワンパターンだと分かってはいても。


それで、久し振りに再読した「怪人二十面相」なんですが。

やっぱ「怪人」と云えば、二十面相だね。
ポプラ社の「アルセーヌ・ルパン」シリーズも当時読破したんですが。
ルパンは「怪盗」だから。普通に美術品狙うから。寧ろカッコ良いから。
二十面相は、当に「怪人」。ってゆーか、怪人以外の何者でもない。
記憶ではもっとちゃんと美術品ばかり盗んでいた印象があったんだが。
郵便ポストに化けてみたり蝋人形の振りしてみたり塔の上に登ってみたり空飛んでみたり。……それこそ、単なる「怪しい人」じゃないかっ!!
大の大人が毎回、子供にしてやられて如何する? 二十面相。少しはカッコいいとこ見せてくれよ。ってゆーかやっぱり阿呆だな、二十面相。
……こんな子供向けシリーズを真剣に読んでいる俺も、相当阿呆だがな。


取り敢えず現在。シリーズ全46巻中、20巻まで読破。
……けど27巻から、大人向け通俗小説のリライト版なんだよね。
二十面相が登場しないなんて、つまんなーい(笑)。

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